【NewScientist】科学者らがこの度行った研究によれば、今世紀末までに現在の人類の言語はおそらくその半分以上が消滅すると推測されるという。研究者によれば、言語の多様性が失われるという事は、単にその文化教養が失われるだけでなく、認知科学の研究にとって非常に大きな損害となり得るため、今後は危機に瀕した諸言語を収集し、分類する作業が急を要するというのである。現在、地球上には凡そ6800種類の言語が存在していると言われるが、今日の社会的、政治的変化がそうした少数民族の言語の駆逐を急速に進めているという。「6ヶ月前、いやひと月前に比べたら、また随分たくさんの言語が失われただろうね。今人類の言語は、本当にそのくらいの勢いで急速に消滅していってるんだ。」米ペンシルヴァニアの大学教授デヴィッド・ハリソン氏は語った。
ハリソン氏はあるシベリアの一言語を例に挙げた。ハリソン氏によれば、これまでシベリアの一部で使われて来たミドル・チュリムという言語は、現在では喋る人がほんの一握りにまで減少し、またその人々もほぼ全員45歳以上の世代であるという。また今日では、そうした地域もロシアへの急速な同化が進んでいるため、現在ではその言語を使用する必要性も低減しつつあり、おそらく次の世代には消滅してしまうというのである。
「言語が失われるという事はその世界が失われるという事です。言語が失われるとき、その地域の風俗、そして文化情報までもが失われてしまうわけです。」今回の研究を行ったイェール大学教授ステファン・アンダーソン氏は語った。
またハリソン氏によれば、こうした言語の消滅という出来事が、人間の脳が認知する様々な認識構造の違いを空白として残したままにしてしまうと説明する。つまり異なる言語を理解する事により得られる様々な解釈の差異を、こうした言語の消滅によって把握する事が出来なくなってしまうというのである。例えば、北米のネイティブアメリカンの言語は、時間の性質について欧米社会とは全く異なる解釈を説明する、といった事である。
「ところが、そうした少数民族の言語が消滅していく一方で、中国語や英語、スペイン語といった世界的な言語もまた、加速度的に複雑に、そして多様化しているんです。新しい言語が生まれる可能性すらあります。例えば、最近になって派生しつつある新しい中国語が、既に一部の中国人には理解出来なくなっているという現象も起こっているわけです。」ジョージタウン大学言語学者のデヴィッド・ライトフット氏は語った。
しかしまた、ライトフット氏によれば、現状ではとにかくまだ存在している少数言語を保存する事が最優先であると語る。「我々はとにかく、人間の言語について、可能な限り理解したいだけです。しかし実際そうした言語の消滅は、我々の手でどうにか出来ることではないのです。」ライトフット氏は語った。
【参考】危機言語のホームページ | 女書世界 | 環太平洋の言語 | The Rossetta Project
http://am.tea-nifty.com/ 世界の言語の種類が激減中。 言語の減少は実は「洗脳」かもしれない。 言語の減少は実は全人類の思考の画一化・貧弱化をあらわしているのかもしれない。 消えゆく訮..
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