【NewZinbabwe】ジンバブエはブラワヨにて、男性の顔面右頬部から胸にかけ、マンコらしきものが成長し、呪術師の仕業であるとして騒ぎになっているとのこと。今週月曜、男性はエゴディニの通勤バスに乗り町に向かおうとしたところ、周囲の乗客が男性の顔に出来たマンコらしき物体を見て一時騒然、男性は昨日になり病院に入院したという。病院本部長のリンヂウェ・ムリロ医師によれば、男性の顔面で異常な成長を遂げた物体はおそらく癌性腫瘍でありながらも、実際にはまだそれが何であるのか判断しかねる、と話している。地元新聞の記者らは実際に病院を訪問し、男性の顔面のマンコらしき物体がタオルで覆われていたことを確認、またバスに乗り合わせた乗客、運転手らを探し出し、取材を行う事に成功したという。乗り合わせた乗客のひとり、アヴェドニコ・ンドロヴ氏は男性の顔を見るなり、そこにマンコらしき物体があったことに大きな衝撃を受けたと話している。
「顔から胸、腹部のあたりにかけて、とても大きな腫瘍がありましたね。確かにマンコそっくりでした。皆怖がって、誰も隣に座ろうとはしませんでしたね。」
またンドロヴ氏によれば、男性の腫瘍からは頻繁に液体が垂れだしており、乗り合わせた多くの乗客らは皆一様に恐怖を感じていたと話している。更にバスの運転手によれば、男性に一体いつそんなものが出来たのか、と尋ねたところ、男性はまだ幼い頃に既にそれが出来始めていたが、手術する金もなく現在の大きさになるまで放置することになってしまったと話したという。
しかしまた男性の話を聞いた町の人々の間では、男性は「ウルンヨカ」として知られるジュジュ(Juju、アフリカの呪術の一種)の犠牲者なのではないかとの噂が広まっている。ウルンヨカとは既婚の男性が妻に対してかける「障壁」のような呪いであり、万が一男性がその呪術をかけられた人妻とセックスした場合、男性はそうした特定の病気にかかると言われているのである。
またこのジュジュはしばしば女性の知らないところで、不倫を阻止する目的で用いられるという。バスに乗り合わせた別の乗客センバ・ングウェンヤ氏は以下のように語っている。「これは間違いなくウルンヨカの仕業だと思いますね。それ以外でマンコが顔の上にできるなんてどうやって説明がつくでしょうか。」
ジンバブエ伝統治療協会のアブソン・モヨ氏によれば、このウルンヨカがもたらす結果は様々であり、また男性の顔に性器が成長する場合も様々な現れ方をする、と話している。「ウルンヨカが何らかの方法で用いられた結果だと見ることは、たしかに可能ですね。」
モヨ氏によれば、この他のウルンヨカの引き起こす現象として例えば、胃の膨張が発生したり、あるいは顔に出来たマンコを切除した場合は更にひどい痛みに襲われ、水で冷やしていないと耐えられない状況に陥り、それらの呪いを解く為にはジュジュを行った人物の元を訪れ、切除してもらう以外にないと話している。
また男性の事を以前から知る人物によれば、少なくとも三ヶ月前までは男性の顔には何もなかったと話している。「三ヶ月程前のことですが、最後に彼を見た時は顔には何の腫瘍らしきものもありませんでしたね。この三ヶ月に一体何があったのか私もさっぱり分かりません。」
ブラワヨの医師ジミー・ガジ氏によれば、男性の顔にマンコが出来たとは考えづらく、おそらくは腫瘍の上に出来た折り目を素人がマンコと見間違えたのではないかと推測している。「以前にもこうした事例を見た事があります。その患者は腫瘍の上に襞(ヒダ)があったんですが、それは後に癌腫瘍であることが判明したんです。」
【参考1】『アフリカにおける医と呪術』より
呪術には、病気を治したり、罪人を暴き出したりする「良い呪術」がある一方で、呪いにかけて人を病気にさせたり、死に追いやったりするものもある。そしてボンガンドの人々は、人の死のほとんどは誰かに呪い殺されるのが原因だと考えている。したがって、誰かが死ぬたびに、誰が呪いをかけて殺したのかということが問題になり、あれこれと憶測を呼んだり、親族内、親族間のトラブルに発展したりする。だれでも自ら、あるいは呪術者を雇って他人を殺せる呪術は、見えない刀である。これを防ぐには、究極的には「人の恨みをかわない」ということしかない。人を殺す呪術に対する恐怖は、彼らの社会の安定剤としても働いているのである。
【参考2】呪術師 より
【呪術師と精神分析医】呪術師の重要な仕事の一つは病気治療である。誤った自然認識にもとづく“偽科学”とフレーザーは難じたが,とくに心因性と思える疾患の際には,呪術による治療が実際的効力をもつという報告が多くの社会からなされている。フランスの構造主義的人類学者レヴィ=ストロースは,この点に関して,呪術師の呪術と現代社会の精神分析医の心理療法との類似性を指摘している。すなわち,両者とも,無意識にとどまっていた心理的葛藤や抵抗を患者に意識化させることによって取り除き,病気を治す点で共通している。ただ,意識化の過程で構築される神話が,精神分析の場合には患者個人の過去を素材とするのに対し,呪術の場合には患者外部の社会的神話を利用するところで異なるのである。つまり,精神分析医は患者に語らせるのに,呪術師は社会的に通用している神話を自らが患者に語って聞かせるのである。
【参考3】「ガダラの豚」(中島らも著)より
(前略)人類が種としてのホメオスタシス(精神的均衡)を得るためには、上向きのそれと下向きのそれがある、というのだ。下向きのそれとはつまりナチスのユダヤ人撲滅のような「負の払拭」といった力のベクトルである。"上向きのホメオスタシス"とは、たとえばアフリカの呪術師がするように、"悪いことをした"負の意識と"恨んでやる"負の意識とを呪術を介して正の方向へ止揚する、そういう作用を言う。ところがそういう社会機能がきっちりと働いているケニアや東南アジアの国々は別にして、たとえば東京、ニューヨーク。こうしたところでは人々は何によって心の均衡を得るのか。信仰宗教・・・ではない。信者の人口に占める比率の絶対的数字を見ればそれは分かる。この時代の、ホメオスタシスの要になっているのはマス・メディア、ことにテレビだ、というのが大生部の結論だった。つまりは、ケニアのどこかの村における呪術師と、東京のテレビとが同じ役割を果たしているとうのである。
【参考4】特集/アフリカの社会リハビリテーション ケニアの障害者リハビリテーションにおける文化的習慣の影響(抄訳) | フィリピン発、呪術医