X51.ORG : 死亡した人間の胎児と鳥の死骸を合体、大問題に スイス
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死亡した人間の胎児と鳥の死骸を合体、大問題に スイス

art_fetous1.jpg【swissinfo】スイスの首都ベルンにて開催中の中国現代美術展にて、死亡した人間の胎児の頭部をカモメの身体に接合した作品が展示され、物議を醸している。作品を制作したシャオ・ユ氏は、作品に用いられた頭部が実際に死亡した胎児から取られたものであることを認めている。頭部は1960年代に生まれた胎児のもので、1999年、北京で開かれた科学博覧会で展示されたものから入手したと話している。(写真クリックで拡大)

しかしその後、同作品を見たスイスの右派ジャーナリスト、アドリエン・ドゥ・リエドマッテン氏は作品の合法性を巡って検察官とともに作品を告発、「我々は死者に対して最低限の敬意を払うべきである」として現在、作品の展示中止を求める騒ぎに発展しているという。

「この作品の倫理性を問うことは全く妥当な行為だと考えます。」アドリエン氏は取材にそう語っている。また告発を受けた美術館側は今後、22日に専門家らを集めたシンポジウムを開催し、同作品の倫理性を巡って討議を行う予定であるという。アドリエン氏は取材に対し、現在アーティスト自身、そして美術館、作品のオーナーである前在中国スイス領事館大使のユリ・ジグ氏等に対して法的処置を求めたと話している。

しかし展示会キュレーターのベルナルド・フィビシャー氏は、作品を展示中止とすることは、今後の展示を台無しにするものであると話している。またシャオ氏も抗議に対し、今回の作品は全ての生命を尊重するからこそ生まれたものであるとして、強く反論している。

「鳥も胎児も、おそらく何か良くないことがあって、どちらも死んだわけです。私はそれを組み合わせて、新しい生命を吹き込んだわけです。」シャオ氏はそう語っている。また現在、美術館では入り口に注意書きを設置し、一部の作品が少なからず衝撃を与えることを予め警告しているという。

同作品は1999年、イタリアのベニス・ビエンナーレで初めて公開され、同年、ジグ氏によって買い取られたものである。美術館員によれば、ジグ氏は近年、中国で興隆する現代美術に強い関心を抱き、1990年代に入ってからシステマティックな方法でそうした作品の収集を続けていたという。

【参考】「食人」事件の検証

art_fetous5.jpg今回の作品制作者が、かつて胎児を食べる過激なパフォーマンス「食人」を行って世界的話題となったシュ・ユ氏(Zhu Yu / 朱昱)と同一人物ではない事はほぼ確かなようである(上述の作品を発表したXiao Yu氏は1965年内モンゴル自治区生まれとされているが、Zhu Yu氏は1970年四川省成都生まれと伝えられている)。しかしまた、胎児アートの先駆とも言える、このシュ氏の作品について、その実態は現在でもほとんど都市伝説的に(様々な尾ひれがついて)伝播されているため、真相は定かではない。その事件の経緯とは、おおまかに以下のようなものである。


1.「食人」パフォーマンス

2000年10月17日、第三回上海ビエンナーレにて前衛芸術家シュ・ユ氏の組写真作品として「食人」が公開される。

- 「食人」の写真・グロテスクにつき注意


2.Rotten.com疑惑

2001年始め、同パフォーマンスの写真をマレーシアのタブロイド紙”Warta Perdana”が掲載。写真は台湾のレストランで行われている「食人」であるとするキャプションと共に"誤報"された。また前後して、「食人」の画像がグロテスクな画像などで有名なwww.rotten.comに掲載される。

3..2001年2月21日付けで英インディペンデント誌が「胎児を食べる残虐画像を掲載したウェブサイト(rotten.comとは名指ししていない)」に対し、スコットランド当局と連絡を受けた米FBIが調査を開始したと掲載。欧米のウェブを中心に、「食人」画像はrotten.comが撮影し、掲載、流布した張本人であるという方向でほぼ断定された。

※rotten.comが事件の中心と目された経緯は、はじめ、スコットランドの児童虐待を専門とする精神科医、Valerie Sinasonの患者二人が画像を発見、rotten.comをソースとして当局に告発したことによる。

- I was wrong about cannibalism, so now I'm eating humble pie

Scotland Yard is liaising with the FBI in the US to close the website, based in California, which has been linked with the ritual abuse of children. Last night the website was still accessible.


4.欧米でシュ・ユ氏の名前が浮上

同日、rotten.com側は運営する"The Gaping Maw"でいずれの機関からも捜査を受けていないと反論。2001年1月8日(1日?)付けでCNN.comが報じていたZhu Yu氏について報じたソースを提示し、写真が氏の作品であることを説明した。CNNに記事が掲載された段階では、画像は掲載されていなかった為、rotten.comが示すまで欧米では「食人」の写真とZhu Yu氏が結びついていなかったと考えられる。

- CNN.com - arts & style - Censors tone down Shanghai's contemporary art show

(AP)The painting of Mao Tse-tung as a Renaissance saint was too risky for the Shanghai 2000 Biennale. The photo of a man eating a dead baby was too disturbing.

ここでひとまずrotten.com疑惑は終了すると共に、Zhu Yu氏の名前が新たな"真犯人"として欧米で一気に広められることになる。

- The Gaping Maw - rotten.com Editorial(webarichive)

※ちなみに、The Gaping Mawは2005年はじめに障害者が行うハンティングを皮肉った記事が告発され、米当局の命で閉鎖している。

5.台湾政府がPerdana誌に謝罪要求

2001年3月23日、台湾政府発行の台湾ニュース(1)、台北タイムス(2)がPerdana誌が報じた「食人」記事の内容は"誤報"であるとする記事を掲載。台湾政府がPerdana紙に謝罪を要求し、それが受け入れられた経緯が報じられた。(1)によれば、胎児を食べる写真はマレーシアのPerdana紙が掲載する以前から、既に「胎児を食べる中国人」としてインターネット上で出回っていたことが指摘されている。また(2)ではシュ氏のインタビューが、他紙からの引用として掲載されている。

- (1)Baby-eating claims denied by irate officials
- (2)Taipei Times - archives"

art_fetous3.jpgマレーシアの週刊タブロイド紙に、台湾のレストランで人間の胎児が食べられているという記事が掲載された。台湾政府は現在、同出版社に対し、出版の差し止めを求めた。政府情報局(GIO)の袁凱聲(ユアン・カイ・シェン)はPerdana紙に対して抗議し、謝罪訂正記事を掲載するよう要求したと発表した。

Perdana紙は記事の内容について、台湾政府に既に謝罪を申し入れたという。今週水曜、最初に誤報に対して反論記事を発表したのは親民黨の議員、秦慧珠(チン・フェイ・シュ)である(写真)。

Perdana紙は写真は台湾のレストランでは胎児が食べられているという内容と共に写真を掲載した。しかし実際には、写真は、上海で活動するアーティストの朱昱(シュ・ユ)の食人と題された作品なのである。

シュは「傷害への没頭(對傷害的迷戀)」と題されたアート・パフォーマンスの中の一部として、「食人」と「瓶詰の脳(罐裝腦漿)」という作品を発表した。

中国のニュースに掲載されたインタビューの中で、シュは”作品を通し、生命と死についての議論を促したい”と述べたという。そして生後6ヶ月の胎児(元は堕胎された胎児であるという)をを食べることで、伝統的な倫理感に挑みたかった、と話し、また人間の死、そして永遠の命を求め続ける人間の文化を変化させることが出来るかどうかを知りたかったと語っている。

また「食人」の制作に当たり、シュは医学校から胎児の死体を盗み、それを料理して食べたという。また肉はまずく、食べている最中には幾度か吐いたことを認めたが、"芸術の為に"それを行わなければならなかった、と語っている。

作品は物議を醸しているが、シュは中国の前衛芸術家では名誉ある存在として広く知られている。しかしまた「瓶詰の脳」では人間の脳を瓶につめたものを制作したが、それもやはり多くの批判を集めている。


6.プロパガンダに利用される「食人」画像

こうして「食人画像事件」はひとまずの終結を見た。しかしその後、シュ氏の作品には更に他の画像も加えられ、様々なキャプションと共に恣意的にモンタージュされ、アジア諸国間で互いに他国を叩く為のプロパガンダとして利用されている。

例えば2002年には台湾で「胎児を食べる中国人の実態を告発」といった内容のウェブサイトが作られ、シュ氏の作品とは別の新たな「食人」画像が追加されている(画像の出元は明らかではない)。その結果、一部では全てがシュ氏の「食人」画像と混同された状態でウェブに出回っている。

- 中国人は人肉を食べることを楽しんできた
- 控 訴 滅 ? 人 性 大 陸 吃 嬰 (邦訳)
※上のサイトはおそらく台湾の大学生によって作られたものが、コピーされたミラーサイト。オリジナルは既に消滅。


7.「食人」の真偽

一説にはシュ氏が食べていたのは単に鳥の肉を細工して作ったものであるとも言われている。その理由として、シュ氏が食べている"肉塊"は頭部をはじめ、人間の胎児と呼ぶには余りにも大きい事、ディティールが曖昧である点などが指摘されている。またこれまで、シュ氏の口から語られた直接の言葉は、上述の台北タイムスに掲載された引用によるコメントのみであるものの、同紙はそのソースを「中国語の新聞」としか示していない為、実際にシュ氏が語ったコメントであるのかどうかは疑問が残る。

8.胎児の遺体入手可能性

1995年には、香港の新聞に"中国の四川省において堕胎された胎児が安価で売買されている"とした告発記事が掲載され、それが英国のテレグラフ誌に翻訳掲載されたが、これも真偽の程は不明のまま今日に至る。

- Church of Euthanasia - Snuff It 3 - Eating Fetus in China

しかしまた倫理的な問題を抜きに、売買の可能性という視点だけで考えるならば、死亡した胎児を何処からか入手すること(そしてそれを食べること)、それ自体は中国であれ台湾であれ欧米であれ、全く不可能なことではないと思われる。

- A hospital scandal stirs the French
※最近仏で発覚した死産の胎児350体以上を病院が不法に保存していた事件
- Plastinated fetus stolen from the Bodyworlds exhibit
※今年4月、米ロスで「人体の不思議展」の最中に胎児の遺体が盗まれた事件
- 中絶胎児一般ゴミ廃棄に関するメモ(04/07/26)
- <中絶胎児>「一般ごみ」として処理185件 長野県
- NHKスペシャル:中絶児利用の衝撃


【参考2】New Chinese Art: Center for Contemporary Chinese Art
- MUSEO DE LAS MOMIAS(メキシコのミイラ博物館)

【関連】死者を役者に 英
- カニバリズム - 人間は如何にして人間を食べてきたか
- Ogrish.comが大規模なクラッキング攻撃を受ける
- X51.ENEMA: 動物の死体を組み合わせてキメラの剥製

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